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世界遺産・国宝「富岡製糸場」
群馬県富岡市にあります「富岡製糸場(とみおかせいしじょう)」を紹介します。
群馬県では古くから養蚕(ようさん)、製糸、織物といった絹に関する営みが盛んで、絹産業に関する文化遺産が多く残っています。
これらのうち富岡製糸場、田島弥平旧宅(たじまやへいきゅうたく)、高山社跡(たかやましゃあと)、荒船風穴(あらふねふうけつ)を構成資産とする「富岡製糸場と絹産業遺産群」は平成26年(2014)のユネスコ世界遺産委員会で世界遺産一覧表に記載されました。
富岡製糸場とは明治5年(1872)に明治政府が設立した官営の器械製糸工場です。
民営化(1893)後も一貫して製糸を行い、製糸技術開発の最先端として国内養蚕・製糸業を世界一の水準に牽引しました。また、田島家、高山社、荒船風穴などと連携して、蚕の優良品種の開発と普及を主導しました。
和洋技術を混交(こんこう)した工場建築の代表であり、長さ100mを超える木骨レンガ造の東置繭所(ひがしおきまゆじょ)、西置繭所(にしおきまゆじょ)、繰糸所(そうしじょ)など、主要な施設が創業当時のままほぼ完全に残されています。
そして平成26年12月に、繰糸所、東置繭所、西置繭所が国宝に指定されました。今回はそんな富岡製糸場の見どころを紹介していきます。
ガイドを活用しよう!
富岡製糸場の見学方法は、個人で自由に見学するのとガイドによる解説付きの方法があります。
個人で見学する際にも200円で貸し出しをしている音声ガイド機で解説ポイントにて音声で解説してくれます。さらにスマートフォンでなら無料でQRコードを読み込むことで音声ガイドを聞くことができます。(通信料は自己負担です)
ガイドツアーはボランティア解説員による約40分の解説案内で見学することができ、質問などしながら見学することができます。料金は大人200円、子人(中学生以下)100円です。
ガイドツアー整理券販売所にて午前、午後の希望の時間の整理券を受け取れます。約100名ほどいるという個性豊かなガイドさんの話を聞きながら楽しく学べることができます。
創業当時のままの建物で歴史を学ぶ
富岡製糸場は、ほぼ創業当時のままの建物が保管状態の良いまま残されてその様子を見学することができます。さらに、さまざまな方法で富岡製糸場に関する歴史を学べるようになっています。
▲入場時に配られる場内のご案内の地図が入ったパンフレットのほかに、こういった順路が示された案内板もありますので迷うことなく見学することができます。
東置繭所
▲これらは国宝の東置繭所の外観です。
置き繭所や繰糸所などの建物は木材で骨組みを造り、壁の仕上げにレンガを用いた木骨煉瓦造(もっこつれんがぞう)という工法で建てられました。
このレンガはフランス積みという積み方で、レンガの向きを長い面と短い面を交互に並べていく積み方です。このような西洋の新しい材料を取り入れながら、屋根は伝統的な日本瓦を葺く(ふく)など、日本と西洋の建築技術を見事に融合して建てられています。
▲建物内では写真入りのパネルでわかりやすく歴史を教えてくれますよ。
ハイビジョン映像での紹介、建物の模型、復元機械の展示、実演など本当にさまざまな形で富岡製糸場のことを知っていただきたいという想いが伝わってきますね。
▲場内には売店やシルクギャラリーがあり、シルク製品、お土産類、書籍等が販売していました。
繰糸所
▲こちらも国宝の繰糸所は繭から生糸を作る施設で製糸工場の中心となる建物です。明治41年以降に設置された自動繰糸機が保存されています。
ブリュナエンジン(復元機)動態展示施設
▲繭から生糸を作る繰糸機の動力源として使われたブリュナエンジンの復元機が置かれています。外形等の主要な形状及び運転能力についてはオリジナルのものとほぼ同じだそうです。
その他の施設
富岡製糸場は国宝である繰糸場や置繭所のほかにも、重要文化財の建物などがあります。外観見学のみの所も多いですが当時の生活が思い浮かぶような趣のある場所なので見ておきましょう。
富岡製糸場の保存と活用
見学料
富岡製糸場は見学料が必要です。料金は大人1000円、高校・大学生250円、小・中学生150円、未就学児は無料です。
この見学料は世界遺産・国宝となった富岡製糸場を後世に伝えるために、保存整備工事等の財源として使われているそうです。重要な文化遺産である富岡製糸場の価値を損ねることなく保護し、後世に伝えるための維持管理および保存修理・整備活用を計画的に行っているそうです。
そして、国宝のうちの1棟西置繭所では2015年から保存修理工事を行っています。
富岡製糸場では、国宝建物の保存修理の現場を公開し、多くの人に文化財保存事業に対して理解を深めていただきたいと、見学施設を設置しており、「西置繭所」は2019年春頃までの期間限定でその様子を見学することができます。
西置繭所
▲見学にはヘルメット貸出料として大人200円、子供100円が必要です。
中は撮影禁止のため写真はありませんが、間近で工事をしている様子や説明展示を見学することができました。3階まで上がることができ、瓦屋根を間近で見られたりガラス窓から富岡製糸場を見渡す事ができてその光景も楽しめました。
鉄水溜
西置繭所とともにこちらも限定公開している鉄水溜(てっすいりゅう)も見学することができました。
製糸工場では大量の水を必要とするので、その水を溜めておく貯水施設として造られたのがこの鉄水溜です。日本で現存する鉄製構造物としては最古と言われており、2006年に国の重要文化財に指定されています。
東置繭所2階
東置繭所の2階も限定公開されていました。こちらは無料で見学することができます。
▲2階は繭倉庫として使われていた所です。ライトアップされていて雰囲気のある空間を堪能することができます。三角形を組み合わせたトラス構造の屋根裏も確認することができますよ。
首長官(ブリュナ館)
▲さらに通常非公開の重要文化財首長官(ブリュナ館)も特別公開としてカフェを営業しており、椅子やソファに座り珈琲などの飲み物をいただくことができました。その際にスタッフの方が丁寧にブリュナ館のことを教えていただき、地下室のことなど学ぶことができました。
富岡製糸場はガイドの方はもちろんのこと、そのほかのそれぞれの場所に配置されたスタッフさんが積極的に歴史などを知ってほしいと声をかけてくれる姿勢が素晴らしいなと感じました。
富岡製糸場では、保存と活用の両立を目指していて、保存修理工事・整備を行いながらも状況に応じて外観のみの見学から期間限定での内部の公開、体験イベントの実施など歴史、文化等を伝えていくための活用を積極的に行っています。
現在公開しているのは敷地の3分の1程度であったり見学料がかかったりと、人によっては不満が出てしまうのかもしれませんが、こうした貴重な文化遺産を守り、次の世代に受け継ぐためのさまざまな取り組みの姿勢は尊重していきたいですね。
富岡製糸場に行って歴史を肌で感じよう!
2014年に世界遺産・国宝に登録され注目された文化遺産である「富岡製糸場」は日本の近代化を支えた絹産業を象徴する建物で、その歴史を知るにはいい機会になる場所です。
少しでも興味がある人はぜひ実際に目で見て歴史を肌で感じてみてください。
富岡製糸場
- 住所
- 群馬県富岡市富岡1-1
- 交通
- 上信電鉄上州富岡駅から徒歩約15分
- 上信越自動車道富岡ICから各市営駐車場まで約10分
- 駐車場
- なし(近隣に無料の市営駐車場あり、コインパーキングも多数あります)
- 電話
- 0274-67-0075(富岡製糸場総合案内所)
- 開場時間
- 午前9時~午後5時(受付時間は午後4時30分まで)
- 休日
- 12月29日~31日
- 見学料
- 大人1000円、高校・大学生250円、小・中学生150円
- 公式サイト
- 富岡製糸場HP
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